ジェイソン・モモア『コナン・ザ・バーバリアン』(2011)

アーノルド・シュワルツェネッガーの『コナン・ザ・グレート』が結構好きで何度も観ていた管理人momorex。これもリメイクかー、、と思いつつも鑑賞することに。話がなんか違うな、と思いながらもジェイソン・モモアのカッコよさと妖術使いマリークの妖しさにぐいぐい引き込まれ。これ、リメイクじゃなくて再度の映画化だったんですねー。無理、無駄の無い身体を張ったアクション映画に、2時間単純に楽しめたぞ。

Conan the Barbarian_2011
■コナン・ザ・バーバリアン – Conan the Barbarian -■
2011年/アメリカ/112分
監督:マーカス・ニスペル
脚本:トーマス・ディーン・ドネリー他
原作:ロバート・E・ハワード「英雄コナンシリーズ」
製作:フレドリク・マルンベリ他
製作総指揮:フレデリック・U・フィアースト他
撮影:トーマス・クロス
音楽:タイラー・ベイツ
出演:
ジェイソン・モモア(コナン)

レイチェル・ニコルズ(タマラ)
スティーヴン・ラング(カラー・ジム)
ローズ・マッゴーワン(マリーク)
ボブ・サップ(ウカファ)
ロン・パールマン(コリン)
サイード・タグマウイ(エラ・シャン)

解説:
アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「コナン・ザ・グレート」でも知られるロバート・E・ハワードが生み出した伝説のヒーローを「スターゲイト:アトランティス」のジェイソン・モモア主演で映画化したアクション・アドベンチャー。幼き頃に父を惨殺された主人公の壮絶な復讐の旅路を、ハードなアクション満載で描き出す。監督はリメイク版「13日の金曜日」のマーカス・ニスペル。

あらすじ:
妖術が猛威を振るい、各種族が戦いに明け暮れる混沌の先史時代。女戦士である母の死と引き替えに戦場で生を受けた男児コナン。11歳となった彼は、地獄の力を得るために必要な古代王の骨の破片を探すアケロン族の騎士カラー・ジムによって父を目の前で惨殺される。20年後、逞しい戦士へと成長したコナンは、仇敵カラーへの復讐に執念を燃やしていた。一方カラーは、地獄の力を復活させる儀式に欠かせないある女を追っていた。やがて、その女を囮にカラーをおびき出すコナンだったが-
 (allcinema)


Conan the Barbarian_2011むかーし、むかし、古代の王の骨片で作られた呪われた仮面があった。この仮面は地獄と繋がっており、これを手に入れた者には地獄の力が宿って世界の覇王になれると言われていた。しかしあまりにも罪深いその邪悪な力に恐れおののいた各部族の長達は、これを破壊、ばらばらにした骨を一つずつ持ち帰り隠した。

それでも絶えない戦に次ぐ戦の時代。部族を潰し、この骨を一つずつ集めて力を手中に収めようとする男カラー・ジムがいた。カラーの目的は一つ。この仮面を使って世界を手に入れ、死んだ妖術使いの妻を蘇らせることだった。

Conan the Barbarian_2011戦中に戦う母から生まれたコナン。精神的にも肉体的にも強くたくましく育ったが、11歳のある日、カラーが骨を求めてやって来る。コナンの父であり部族の長であるコリンは抵抗したが、母親と同じ妖術使いのカラーの娘マリークに骨を発見され奪われる。そして父を含むコナンの部族は皆殺しに。助かったコナンは、まだ見ぬ世界に一人旅立つ。いつかカラーに復讐することを誓って。
一方、全ての骨を集めたカラーに必要なものは、あと一つ。仮面に力を吹き込む最後のパーツ“純血を守る女の血”のみとなった。

2011年版『コナン・ザ・バーバリアン』はこんな感じで始まりますよ。
シュワルツェネッガー版では奴隷として捕まったコナンが、毎日毎日大人になるまでぐるぐると部品の棒(何か名前があるかも、、思い出せない)を回し続け、そのおかげでかすごくマッチョになっていたのが印象的だったが、2011年版では襲撃してきたカラーから逃れ、世界を旅する。海賊のようになって仲間と暴れ回っている先で、少年時代に目撃したカラーに繋がる人物を発見。ここからカラーへの復讐に燃える男に変身する。

Conan the Barbarian_20112011年版コナンを演じたジェイソン・モモア
ハワイ出身の彼は、その大きく逞しい身体で暴れまくり、(剣というより)ソードを自由自在に操って敵をバッタバッタとなぎ倒す。画像では怖い顔をしてますが、優しげな甘いマスクも得意技。本作のキーパーソンであるタマラをも手中に。

ジェイソン・モモアはアメリカドラマ「スターゲイト:アトランティス」に出演後、管理人momorexが毎週楽しみに見ている「ゲーム・オブ・スローンズ」で、(実は愛情あふれる)野卑な王ドロゴを演じている。最新作はウォルター・ヒル監督、スタローン主演『バレット』。2013年6月公開だそうです。
筋肉マッチョはちょっと苦手な管理人ですが、このジェイソン・モモア氏はシュワルツェネッガーに次ぐ気になるマッチョ第2号になりそう。
Conan the Barbarian_2011管理人の趣味でもう1枚。「ゲーム・オブ・スローンズ」より

Conan the Barbarian_2011本作の敵は世界を手中に収めようと企むカラー・ジム。
シュワルツェネッガー版と比較すると、ちょっとインパクトに欠けるかも。シュワルツェネッガー版のタルサ・ドゥーム(ジェームズ・アール・ジョーンズ)と紋章の“蛇”はものすごく印象的。無口なつるんとした黒い顔、存在感のあるごつい身体と声、それになんと言ってもその表情は邪悪な蛇そのもの。
コナン少年じゃなくてもびびりまくってしまいます。

Conan the Barbarian_2011しかし、本作でいいのはジェイソン・モモアだけじゃない!カラーの娘、妖術使いマリークのイヤらしさも、なかなか秀逸。その眉毛の無さも相まって強くて不気味でまるで蛇の化身のよう。右手に付けているフレディ・クルーガーとおそろのような鉤爪で女性を突いて血を味見したりします。

演じているのはローズ・マッゴーワン。『スクリーム(1996)』「チャームド~魔女3姉妹~」の他にあの『プラネット・テラー in グラインドハウス(2007)』では片足が機関銃になって出演。マリリン・マンソンやロバート・ロドリゲスと婚約していたこともある(どちらも解消)。すごいお姉さんだ。

他にもこんな人が
Conan the Barbarian_2011
左:ボブ・サップ 中:ロン・パールマン(コナンの父) 右:スティーヴン・ラング(カラー)

なぜ今コナン?B級アクション?と思われそうな本作だが、そのアクションにも無理、無駄がなく、ファンタジー要素も入っており、“何も考えずに現実逃避”したい時に観るには充分答えてくれる作品だ。
映画化としてはこの作品で「再起動」とあるので、もしかしたら続編があるのかも。
ではまた

原作「英雄コナン」

Conan the Barbarian_521932年からロバート・E・ハワード(一部作品はディ=キャンプ、ビョルン・ニューベリイらの補作)により著されたヒロイック・ファンタジーのシリーズであり、その主人公である。本シリーズは、典型的なヒロイック・ファンタジーの先駆けとなった。

ハワードの書いた「コナン」物語は全部で21篇で、その他、梗概にとどまるものと未完の草稿が5篇あるとされる。完成作のうち17篇は『ウィアード・テールズ』誌に発表され、残る4篇のうち3篇は1950年代に発見されて大幅加筆のうえ発表、1960年代に発見された最後の1篇は原作のまま発表された。
「コナン」には模倣作品や加筆作品がきわめて多く、未完の草稿を完成品に仕立てたもの、コナン以外のハワード作品の主人公をコナンに変えてしまったものや、まったくの模倣作品にいたるまで、数十篇を数える。原因としては、コナンの物語が年代順に書かれていないことと、物語の間の空白期間が長いことがあり、その間を埋めようとするファン心理が模倣を産むと考えられている。

■ウィアード・テールズ誌掲載作
・「不死鳥の剣」 “The Phoenix on the Sword” (1932/12)
・「真紅の城砦」 “The Scarlet Citadel” (1933/1)
・「象の塔」 “The Tower of the Elephant” (1933/3)
・「黒い怪獣」 “Black Colossus” (1933/6)
・「忍びよる影」 “The Slithering Shadow” (1933/9)
・「黒魔の泉」 “The Pool of the Black One” (1933/10)
・「館のうちの凶漢たち」 “Rogues in the House” (1934/1)
・「月下の影」 “Shadows in the Moonlight” (1934/4)
・「黒い海岸の女王」 “Queen of the Black Coast” (1934/5)
・「鋼鉄の悪魔」 “The Devil in Iron” (1934/8)
・「黒い予言者」 “The People of the Black Circle” (1934/9-11)
・「魔女誕生」 “A Witch Shall be Born” (1934/12)
・「古代王国の秘宝」 “Jewels of Gwahlur” (1935/3)
・「黒河を越えて」 “Beyond the Black River” (1935/5-6)
・「ザムボウラの影」 “Shadows in Zamboula” (1935/11)
・「竜の刻」 “The Hour of the Dragon” (1935/12-1936/4)
・「赤い釘」 “Red Nails” (1936/7-10)

■東京創元社版(新訂版コナン全集)
1.「黒い海岸の女王」(2006年10月27日)
2.「魔女誕生」(2006年12月15日)
3.「黒い予言者」(2007年3月23日)
4.「黒河を越えて」(2007年7月13日)
5.「真紅の城砦」(2009年3月27日)
6.「龍の刻」 (刊行予定)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

コメント

コメント一覧 (2件)

  • コナン・ザ・バーバリアン 【2011年製作:映画】

    ヒロイックファンタジーの代名詞とも言える作品コナンシリーズの映画です。
     
    過去アーノルド・シュワルツェネッガー主演で公開された「コナン・ザ・グレート」は、
    こけましたが、
    当時は、まだまだ日本では、
    ヒロイックファンタジーが受け入れられる状況ではなかったのではないかと思うのです。
     
    今では、
    ヒロイックファンタジーモノは、
    普通に受け入れられるようになりましたが、
    正統派…

  • 龍の刻

    ハワードによる「コナン」シリーズの新約改訂版、これが最終巻。ヒロイックファンタジーの原点にして到達点と謳われるだけあって、間違いなく面白い。だけど、悪評高かったカバー …

Contents